2010年4月3日土曜日

[トピックス] e-Japan構想からICT維新ビジョンへ

 1999年7月省庁連携の成果としてバーチャルエージェンシー「教育の情報化プロジェクト」報告が行なわれ,同年12月には予算を伴うミレニアムプロジェクト「教育の情報化」として策定されました。これによって,それまでのパソコン教室整備を軸とした情報化から,すべての教室・すべての授業という視野で情報化を推進していく動きが始まったとされます。

 その後,2000年11月に「IT基本法」(高度情報通信ネットワーク社会形成基本法)が成立し,翌2001年1月には高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部(IT戦略本部)によって「e-Japan戦略」が国家戦略として打ち出されました。その後「e-Japan戦略II」(2003年7月),「IT新改革戦略」(2006年1月)として継続的に計画され,教育の情報化もそれらと連動しながら推進されていきました。

 しかし,教育関係のIT化に関する動きは鈍く,「e-Japan戦略」に基づく2005年に設定されていた目標「小中高等学校のインターネット接続の環境を整備し、ITを利用した教育を可能にする」の達成がもたつくなどの苦い経験が残っています *1。
 その後「e-Japan戦略II」では「良質なネットワーク型の学習コンテンツを初等中等教育機関等へ流通させる環境の整備や国の学習情報ポータルサイト機能の確立」などが謳われ,続く「IT新改革戦略」では「(2010年度までに)教員一人に一台のコンピュータ及びネットワーク環境の整備並びにIT基盤のサポート体制の整備等」や「教科指導におけるITの活用、小学校における情報モラル教育等」が目標設定されてきましたが,都道府県によって達成速度はバラバラであったり,十分達成されていない現実もあります *2。

(後略,当日資料より)

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*1 20051208「e-Japan戦略の目標達成に向けて -教育の情報化の推進のためのアクションプラン-」(文科省)
http://bit.ly/bFLMzL

*2 「教育情報化の現況(平成21年3月速報値)」(教育情報化推進協議会) http://bit.ly/cVEyqX
 

[当日資料] 少しずつご紹介します

 「iのある教育と学習」では当日資料を配布しました。せっかく来ていただいた皆様向けなので,ネットにすべてを公開するのは難しいですが,さわりだけご紹介していきます。

 状況は時々刻々と変化しているため,また次の集いの時には情報の更新と新しいトピックスについても追加していきます。
 

2010年4月2日金曜日

ご参加ありがとうございました

 2010年3月28日に「iのある教育と学習」が催され,80名もの方々に集っていただき無事に終了いたしました。

 あらためて今回の催しにご協力いただいた皆様とご参加いただいた皆様,関心をもってお声掛けしてくださった皆様,本当にありがとうございました。

 今後もこうした催しを開いていきたいと考えていますので,引き続きどうぞよろしくお願いします。
 

2010年3月25日木曜日

[あと3日間] 事前登録への感謝と当日への意気込み

 3/28「iのある教育と学習」もいよいよ3日後と迫ってきました。わたくし準備人は,当日配布資料の作成がまだ途中でテンヤワンヤしております。

 26日には東京入りして,27日に宿泊先で準備体制を整えて,28日の当日を迎えようと考えています(たまの東京なので馴染むのに時間いるんです…^_^;)。

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 事前登録ありがとうございます。

 事前登録は90名を目処に行なってきました。登録いただいた皆様だけでも十分大きなイベントとなったこと,驚きとともに感謝の念が絶えません。

 会場のキャパシティは100名〜120名程度だと想定しています。よって10〜30名の範囲で余裕を確保しています。当日の飛び込み参加の皆様を受け入れるのもこの範囲と当日の会場の様子を加味したプラスアルファということになります。

 当日飛び込み参加に関しては,状況をTwitterのハッシュタグ#i4eduでお知らせする予定です。場合によっては,ご要望にお応えできないこともあるやも知れません。そのときはご容赦ください。

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 「教育利用」とは実に大きな括りで曖昧です。そして集いの短い時間だけでは,皆さんの関心に直結する話題提供に限界があることは明らかです。

 それを承知で今回の集いを企画しています。

 そして,皆さんの関心に近づくための第2弾第3弾のイベントや研究会などに繋げていくことを視野に入れているのです。

 
 私自身は今回の集いの呼びかけや準備をしている黒子ですが,そうした存在を昨今の学習コミュニティ研究の世界では「stewardship」という言葉で表しているようです。そして様々なテクノロジー(たとえばTwitterなど)を用いて学習コミュニティを創造していく可能性が模索されています(関連するものとして『Digital Habitats』という本があります)。

 今後,また別の集いが,別の有志によって生まれてくることを期待しています。少なくとも生める可能性を今回の集いで証明しているつもりです。

 すでに第2弾を関西(大阪)で行なってはどうかとお声をいただいています。それに捕らわれず,関心のある皆さんでそれぞれ関心のある特化したテーマで集いを開いていただければと思います。そこに黒子としてお手伝いできる余地があれば,可能な限り協力させていただきます。それが私個人の意気込みです。

 本当の意味で「有志」の方々が全国や世界に点在していることを私たちは知っています。そしてコンピューターやインターネットが登場し,点在している有志を結びつけるのに役立つことも実感できるようになりました。

 ネットで集うことと同時に物理的な場所でも集う,その往還を通して,今までと違った繋がりを作り出し続けられたらと思います。

 どうぞよろしくお願いします。
  

2010年3月19日金曜日

[当日予定] 開催時間など

 当日まで10日間を切りました。iPad/iPhone教育利用の集い「iのある教育と学習」は3/28に東京初台オペラシティにある東京初台オペラシティ32階セミナールームで行ないます。

 事前のお申し込みも順調にいただき,あと25〜30名の方を事前登録お受けするところまできました。その上で,当日飛び込みでお越しいただく方のための余裕はあると踏んでいますが,万一の場合は,お知らせしている通り,事前登録の方を優先とした対応をさせていただきます。

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 当初より,集いの開催時間を13:30〜15:00(約90分)とお知らせしておりました。しかし,内容の密度に比して想定していた時間が短い懸念も強まってきました。

 15:00終了予定を前提にお申し込みいただいた皆さんには大変恐縮ですが,当日の進行次第で30分程度の延長をお願いする場合があること,ご承知いただければと思います。

 ご参加の皆様からのフィードバックも活かすように工夫していきたいと考えていますので,ご理解よろしくお願いします。
 

2010年3月13日土曜日

[事前登録確認] 登録いただいた皆様へ

 ご登録いただいた皆様への「事前登録確認」のご連絡を差し上げています。

メールアドレスをいただいた皆様には下記の内容を直接Bcc送信しました。Twitterアカウントの皆様にも事前確認ツイートをお送りしています。詳細は下記をご覧いただければと思います。

 なお,事前登録を行なったにも関わらず,確認連絡が届かなかった皆様は,メール等でご連絡いただくか,再度登録手続きを行なってください。お願いします。

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【登録確認メール】

 このメールは,下記の催事の事前登録をいただいた皆様に
登録確認のため送信するものです。

 当日ご来場いただく皆様は,そのまま予定通りお越しください。
当日お会いできますこと,楽しみにしております。

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「iのある教育と学習」(iPad/iPhone教育利用の集い)
日時:2010年3月28日(日曜日)13:00〜開場
時間:13:30〜15:30予定
会場:東京初台オペラシティ32階セミナールーム
費用:無料
サイト:http://sites.google.com/site/mobile4edu/
Twitterアカウント:http://twitter.com/mobile4edu
同ハッシュタグ:#i4edu
=====

 イベントに関する事前連絡などは,上記サイトにも掲載を
する予定ですが,特に直前のお知らせなどはTwitterアカウント
@mobile4edu ,もしくはハッシュタグ #i4edu にて流して
おりますのでご参照ください。

[ご都合悪くなった場合]
 登録後,ご都合悪くなりご来場いただけない場合,お手数で
なければ「キャンセル」の旨,返信いただけると助かります。
 当日までご不明であれば,そのままで結構です。

以上です

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(3/25変更追記)

 事前登録を終了し,3/12以降の登録者の皆様にも確認連絡をさせていただきます。3/12までの登録者の方にはすでに連絡させていただきました。

 3/12確認時点との変更点は,終了時間を15:30とさせていただいたことです。当初,15:00としておりましたが,内容量との関係上,30分程度の延長をお願いする次第です。
 

2010年3月7日日曜日

[下準備] 当日資料の作成

 「iのある教育と学習」の準備を粛々と続けています。

 本日(3/7)現在,40名程度の方に事前登録をいただきました。ありがとうございます。会場は100名規模の場所ですのでまだ余裕がありますが,当日近く,間際になると駆け込み登録もありますので,今のうちご登録ください。登録いただければ当日ご入場を保証させていただきます。

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 年度末で登壇者の皆さんも慌ただしい日々を過ごして居られるようです。私も来年度の仕事の準備を平行させながら,3月28日のことを気にしています。

 ご登録いただいた方からも「こういう資料があります」と情報を持ち寄っていただける声をいただき,いろんなお話が聞けそうな興味深い集いになりそうです。

 準備人の私からも集いの基礎資料になりそうなものをご用意して,ご参加いただける皆さんに少しでもお役に立てる機会にしようと思っています。

 今回の集いには教育関係の現場や企業の方もいらっしゃいますが,IT企業といった違う分野の方々もたくさん来てくださいます。そのような他の分野の方々にも教育分野がどのような仕組みになっているのかを知っていただく情報をまとめているところです。結構面白い資料になりそうです。(これまで税金で勉強させていただきましたから,地道に恩返しです)

 今後,登壇者の方々から資料がいただけるかどうか確認します。

 当日は,参考資料やアンケートなど配付させていただきます。是非,筆記用具をお持ちくださるとありがたいです。

 また,イベントのツイート用として「#i4edu」というハッシュタグも用意しております。事前のコメントや当日のツイートや質問や終了後の感想や議論など,このハッシュタグを付けていただけるとありがたいです。

 なお,質問ツイートにはどこかに英文字「q」とかを付けたりして区別できると分かりやすいかなと思いますが,まあ,また当日お願いしてみます。

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 iPadの発売日が米国4月3日で日本は4月末と正式に発表がありました。

 今回の集いに間に合いませんでしたので,会場では KamiPadで我慢していただきます。本当にごめんなさい。でもかなりiPad情報が集まるはずですので,いろいろ情報交換しましょう。

 日頃の行ないが良ければ,奇跡も起こるかも知れませんね。行儀良くしよっと…。

2010年3月3日水曜日

[チラシ] イベントのチラシ公開

 2010年3月28日に予定しているiPad/iPhone教育利用の集い「iのある教育と学習」についてご紹介を続けています。

 イベントのチラシを作っている最中です。まだ登壇者の皆さんとの準備が進んでいる最中なので,詳細部分を書き込めてないですが,暫定版は公開しました(→チラシ暫定版)。

 

 素人デザインですので,細かい部分は大目に見ていただくとして,是非とも多くの方々に来ていただきたいと思っています。

 日々少しずつ登録もいただいていますが,まだまだ余裕ですので,ドカーンと困るぐらいお越しいただければと思います。

 遠方の皆様にはUstreamを使ってお届けできればと思っていますが,これまた素人ダダ漏れ屋ですので,上手くいきますかどうか…。とにかく,考えられる限りオープンにする努力をしたいと思いますし,他地域での開催も積極的に協力していきたいと考えています。

 ※中継はなくなりました…大変申し訳ありません。後日映像配信する予定です。

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 iPadの発売日に関する噂も流れてきました。果たして当日に実物が拝めるのかどうなのか。祈りが通じるとよいのですが…。

 当日は15:00すぎには終わる予定ですので,イベント帰りは新宿でお買い物か,渋谷か銀座のAppleStoreに寄ってiPadを見に行くのもよいかも知れませんね。
 

2010年3月1日月曜日

[事前登録受付中] 3月になりました

 iPad/iPhoneの教育利用に関心のある皆様と集う「iのある教育と学習」は,今月28日に開催します。事前登録受付中ですので,ぜひ参加表明していただければと思います。

 また,お近くに学校現場にお勤めの先生方がいらっしゃいましたら,イベントの告知もよろしくお願いいたします。

 普段,学校の先生方はこういうイベントには参加する機会が少ないため,情報が届き難くなっていたり,なかなか参加していただけないことも多く,現時点でご登録いただいた方々の中にも小中高の現場に先生方は少ないです。

 ネットでの中継や報告をご覧いただくことでも,情報に触れていただこうと考えていますが,是非当日お越しになって,新しいツールに関心を持った様々な分野の方々との空気を共有していただきたいと思っています。

 教職を目指されている学生の皆さんなども,まさに次の時代にこうした新しいツールを駆使する主役ですので,遠慮せずお友達も誘ってお越しください。

 ただいまイベントのチラシとプレスリリースを制作しているところです。出来上がり次第,サイトで公開します。

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 そして,3月といえば,いよいよiPadの発売が近づいてきたということでもあります。最近発売された『MacFan』『MacPeople』は,特集でiPadを取り上げています。

 今回,トークセッションに参加していただく松村太郎さんも「MacFan」の座談会記事に登場されてiPadについて語っていらっしゃいます。


 はたして,今回の「iのある教育と学習」イベントが早いか,iPadの日本発売が早いか,気になるところですが,当日はkamiPad(紙のiPad)をたくさん用意して,雰囲気だけでもiPadに触れていただこうと考えています。

 本物は…,発売が早かったら見られるかも知れませんね。ははは…^_^;
 

2010年2月27日土曜日

[下準備] mixiにイベント告知

 告知はなるべく積極的にしたいのですが,しつこくなりすぎてもいけないので,頃合いを見計らいながらやらせていただいてます。

 さきほどmixiに久しぶりにアクセスして,いくつかのコミュニティにイベントを登録させていただきました。重複しすぎてもまずいので3つほど選んで投稿しましたが,さて,皆さんご関心を持っていただけるかどうか…。

 本当は教育現場の先生方に届くように頑張りたいのですが,意外とそういうチャネルというのが少ないのですよね。新聞関係だと,もう少し事前にプレスリリースを出すべきだったのですが,緊急企画であったことや,会場の件もありましたので,これは仕方ない…。

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 というわけで,現時点で事前登録にもまだまだ十分余裕あります。100名程度のキャパシティがある会場ですから,3月中に告知活動したり,当日お越しになっていただく方を考えて,ちょうどいいぐらいになるかなと思います。

 意外なiPad人気でオーバーしたらどうしようかとビクビクはしていますが,そのための事前登録と登録順ですので,ご協力お願いします。

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 登壇者の皆様には,あらためて書類などを作って情報提供しなければなりませんし,当日ご来場になる皆さん向けに配付する資料もぼちぼち作り始めなくては…。

 ちなみにプレゼン登壇者のお一人として,Twitter上で電子教科書議論の取りまとめを精力的にされているある方をお願いしています。なんとSkypeによる遠隔登壇をお願い中。

 この集いも,新しいツールを活用しながら実験的にやっていきたいと思います。どうぞお楽しみに。
 

2010年2月25日木曜日

[事前登録] ご要望など

 3月28日(日)に「iのある教育と学習」を開催します。会場は約100名の方々にお越しいただける規模だと思いますが,万一のことも考えて,事前登録をお願いしています。

 少しずつですがご登録いただいています。まだ余裕がありますが,登録数が定員に近づきますと参加のチャンスを逃してしまう可能性もありますので,早めにご登録をおすすめします。

 さて,現時点でいただいている登録の中から,ご要望欄にいただいている一部のお声を拾わせていただき,ご紹介してみようと思います。文体は改変してあります。

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・具体的な教育利用の事例を知りたい
・iPhoneがどう使われているのか知りたい
・タッチデバイスと電子教科書の相性について考えたい
・iPadへの映像配信などについて知りたい

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 集い進行の参考にもなりますので,事前登録のご要望欄に気軽にメッセージをお書きください。よろしくお願いします。
 

2010年2月23日火曜日

[下準備] イベント内容

 「iのある教育と学習」の下準備についてご紹介させていただいています。今回はイベントの内容についてご紹介します。

 今回のイベントでは、iPadやiPhoneに代表されるタッチデバイスの教育利用について広く情報交換と共有が出来ればと思っています。


 最初、今回の企画趣旨を簡単にご紹介した後、前半はプレゼン・パート。

 順番は変わるかも知れませんが、次のような方々にお話をお伺いします。

 iPhoneを学生全員に持たせて活用してきた青山学院大学・社会情報学部の取り組みについて、伊藤一成さんからご報告をいただきます。

 大学教育における事例ですが、導入から授業での活用も含めて、iPhoneがどのように使用されたのかをお聞きし、今後iPadを始めとしたタッチデバイスが持つ可能性についてもお話いただくつもりです。

 その他、コンテンツに関わるお仕事をされている方にもご登壇いただける予定です。すでに米国では激しい電子書籍戦争が勃発しているようですが、日本のプレイヤーから見た市場の景色などをお聞かせ願えればと思っています。


 後半はトークセッション。

 メディアでもお馴染の松村太郎さんにモデレータをお願いしました。

 タッチデバイスといった新しいツールが拓く教育と学習の世界について、様々な立場に立つ方とトークを展開できればと思います。またフロアやTwitter参加者とのやりとりを期待しています。

 まだトークにご参加いただく方を選んだり、打診したりする段階ですので、トーク登壇者については後日お知らせします。登壇希望もいただいていますので、それらも踏まえて準備していきます。

 最後に、簡単にまとめをしたいと思います。


 以上が基本的なプログラムの中身です。ご参加いただく皆さんからも情報提供や発信していただこうと考えていますので、筆記用具をお持ちになって、ぜひいろんなアイデアや考えを教えてください。
 

[下準備] このタイミングで開催することの必要性

 iPadの発表が1月28日頃で、発売は3月末から4月以降の予定。そして「iPad教育利用の集い」は3月28日(日)での開催。iPad関連の教育イベントとしては早いものの一つです。

 もちろん、iPadが実際に登場すれば、今後山のように教育利活用のイベント・研究会などが開催されると思います。それらに注目し、動向を追いかけることは大切なことです。

 ただ、私個人が「小中高の学校の先生方とご一緒に情報共有する」ことに強い思い入れを持っていることと、これまでの後追いの歴史を払拭する(その意気込みを打ち立てる)ためにも、iPadの発売で盛り上がるより先回りして教育利用について考えを持ち寄る機会をつくりたかったのです。

 iPadの代表される機器は、先生方のための道具。

 私個人は、まずこのメッセージをこのタイミングに強く推し出したかったのです。もう少し広げれば、iPadが一般市場で賛否両論いろいろと議論を取り交わされて盛り上がるより少し前に、教育・学習利用を強くアピールすることが必要だと感じたのです。

 その上で、電子書籍、デジタル教科書(原口ビジョン)、教育の情報化、教育ビジネスと学校教育現場・教育研究との連携といったトピックスにも目を向けていただきたいと思っています。

 これは新しい時代における議論の始まりなのです。
 

[下準備] なぜ小中高を強調したのか

 企画開始のきっかけツイートでも、下準備の過程でも、「小中高」という学校段階を強調する場面が多々あります。

 これは決してイベントで高等教育段階は扱わないとか、幼保とか塾とか専門学校などの他領域を対象にしないとかいう意味はありません。

 今回のプレゼンは大学での実践をご報告もいただきますし、参加者の中には専門学校や教育関係の企業の方もいらっしゃいます。

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 「小中高」段階を強調するのは、そうした学校現場にいる先生方の声が、他の場にいる方々の声よりも拾い難かったり、通り難かったりするからです。

 私立学校を別にすれば、この国の学校教育の多くを支えているのは公立学校の先生方です。しかし、こうした先生方の一人一人の興味関心や様々な声は、公教育制度というしくみの中で、聞こえ難くなってしまう傾向にあります。

 本当は新しいツールや新しい教育実践にチャレンジしたいという個別の思いも、自分の所属する学校全体、学校が設置されている市町村の他の学校群全体、その市町村のある都道府県の教育行政全体の中に埋もれて、手かせ足かせ状況の中にあるのです。

 日本の学校教育は今、困った「知恵の輪」状態です。

 誤解の無いよう書きますが、新しいツールの導入がこの知恵の輪を一気に解く鍵になることはありません。私たちは知恵の輪を落ち着いて丁寧に解く必要があります。新しいツールはそのためのヒントを与えてくれるに過ぎないのです。

 私は、そのような取り組みが「小中高」段階にとても必要だと考えています。そして、そこで日々努力され、自分たち自身が絡まった知恵の輪解きに苦心している先生方、その方々を支援してこそ物事が前進すると考えています。

 そうすることで、大学や短大はもちろんのこと、他の教育関係の場にも良い効果が波及するのではないかと考えています。

 それがこの企画で「小中高」を少し強調している理由です。
 

[下準備] 企画の始まり

 日本時間で1月28日未明、Apple社が「iPad」というタッチデバイスを発表しました。「ウェブ、メール、写真を体験する最高の方法」と銘打たれた新しい情報ツールです。

 Appleとの付き合いもだいぶ長くなった私は、大興奮と冷静さのバランス取りも慣れてきたのか、このツールをどう教育に持ち込むべきだろうかと早速考えていました。

 携帯電話の時のように、市場で賑やかに進化してから教育現場が後追いして対処するような構図は繰り返したくはなかったので、少なくとも先回りする動きを作りたいと思ったのでした。

 そして、Twitterでこんなツイート(つぶやき)をしたのです。

小中高学校現場向けのiPadアプリを一緒に企画・開発してくれる人募集中… iPad,日本の学校現場に持ち込むぞ!(該当のツイート

 幾人かの人たちが反応してくれました。関心を持っている人は多そうです。ならば集まってアイデアを持ち寄る機会をつくりたい。

 「iPad教育利用の集い」は、こんなきっかけで始まりました。
 

3/28 iPad/iPhone教育利用の集い「iのある教育と学習」開催

皆様

 2010年3月28日(日)13:00より、東京初台オペラシティ32階セミナールームにて「iのある教育と学習」(iPad/iPhone教育利用の集い:参加無料)を開催いたします。

  告知&登録サイト http://sites.google.com/site/mobile4edu/


 教育現場にいらっしゃる先生方を始め、新しいタッチデバイス・ツールの教育的利用にご関心のある皆様を対象としたイベントです。

 可能性や限界など多様な側面について多くの皆さんと情報を共有し、ご一緒に考え始め、取り組むスタートとなるイベントにしたいと考えております。

 是非、参加登録いただき、当日ご来場いただけますようお誘い申し上げます。

 また、当日の様子はネットでもお伝えする予定ですので、ご都合や遠隔地で直接ご参加いただけない皆様も、間接的にでもご参加いただけますこと願っております。

iPad/iPhone教育利用の集い
下準備人
林向達(徳島文理大学)